そんな喜びも束の間、しばらくすると柔道経験者達も徐々に対応してきて不用意に投げを仕掛けて来ずに様子を見るようになってきた。逆に1本背負い投げなどでこちらが投げられる場面も増えてきた。そうなってくると今度は自分から仕掛けないといけなくなる。
道場のマットは柔道畳のジョイント式だったので膝付きのレスリング的なタックルを仕掛けるには膝や足の甲が擦れて痛くなるので不向きだった。
その頃はまだ大きな膝の怪我から復帰したばかりで、なるべく膝に負担をかけたくないという意識が強く働いていた。
かといって襟と袖のコントロールに依存した柔道の技はグラップリングではそのまま使っても有効ではないし……
そこで悩んだ末取り入れたのは首相撲だった。とりあえず一旦テイクダウンを諦めて(諦めるのはやいw)相手の首を集中的に狙って首を折れば(力を入れれない状態にするという意味)いいんじゃないかと思った。そしたら相手は自分を投げられないし、上手く行けば正面からがぶることもできる。
いつもグラップリングの練習に付き合ってくれる柔術出身のメンバーは大体決まっていて、首相撲に関しては、昔趣味でシュートボクシング(投げありのキックボクシング)をやっていた人がたまたまその中にいてその人にお願いしてマンツー練習をしていた。
さらに、首相撲と合わせて重視していたのはグリップファイト(組手争い)だった。
僕の場合は一般的な柔道の習得手順のように最初に自分の体型にあうとされる(適性があるかどうかは不明)な技を1〜2種類打ち込み・投げ込みで反復して身につけてそこを軸に広げて覚えていく方法ではなく、投げを狙わずに組手にのみフォーカスして、頭と肩の位置、身体の向き、力の入れやすい肘の入れ方等をまず確認することから始め、なるべく密着系のパスガードと関連づけながら覚えた。
また組手で1番参考にしたのは相撲だった。当時発売されていたDVD付きの新しい相撲の本の解説書をよく見ていた。ところが写真でみてもDVDでみてもチンプンカンプンで今までに習った柔術の動きや理論で解釈できない組手や状況、用語ばかりだった。
でもなんとなく今は分からなくてもきっと大事なんだろうなと感じた。
相撲の本だけでは分かりづらかったので、NHKの大相撲を見ることにした。テレビだと実況と解説付きで色んな角度からスローで何回も再生してくれるし、試合が短時間で終わるので反復学習が容易だった。
他にもムエタイの首相撲、モンゴル相撲、フォークスタイルレスリング、MMA(特に青木真也、ベン・アスクレン、デミアン・マイア、ヒョードル、リョート・マチダ、ジョゼアルド、コナー・マクレガー)などをよく研究した。
〜ここまでの流れのおさらい〜
相手のミスで簡単に投げれる🤩→相手が対応し始めて安易に仕掛けて来なくなって投げれなくなる😱→やっぱり投げるの諦める(笑)😑 →投げの代わりに相撲の組手を参考にして首相撲と組手争いに焦点を合わせて重点的に研究し始める😉
↑今ココです
つづく