2021年1月に神戸の新長田にグラップリング専門のジムとしてOPENした「OVER LIMIT JIU-JITSU神戸支部」では、現在新規メンバー募集中!初心者も歓迎です。

局地戦と対応力

局地戦と対応力

先週の日曜日のクラス後にメンバーの方から指導に関して鋭い疑問があがりました。

 

その疑問というのは2つあって、1つ目は「このジムの練習は経験者にとってはテクニックの細かい部分を各論的に学べるので為になるけれど、例えば格闘技をテレビで見て三角絞めや腕十字をやってみたい!!と思って始めた初心者の人にとっては少し物足りないのではないか?」ということと

 

2つ目は「テクニックを局地的に絞って学び、カウンターや怪我のリスクを最小限にする方向性は理解出来るものの、トータルの練習がほとんどないので、他のジムの人との試合やスパーで未見の動きに対応できないのでは?」というものでした。

 

この2つの指摘はまさにその通りで、1つ目の疑問に関して、初心者の方からはよく「これは一体なんの練習をしているのですか?」と質問されることがあります。

 

今までいろんなジムの指導法を見てきましたが、大体共通するのは初心者には手順が少なくて、認知度が高く、目で見てわかりやすい大きなモーションの技を教えるジムが多いです。

 

これについて僕が疑問に思ったのは、もちろん手順が少ないにこしたことはないのですが、大きなモーションの技を最初に教えて局面スパーをさせると身体の可動範囲が広すぎてガチャガチャしたスパーになりがちで怪我が増えるのではないか?ということです。なのでうちのジムではこれとは逆に可動範囲を狭く設定しています。そしてこれが地味すぎて理解しにくい原因の1つかと思います。

 

また技がうまくかかる時の感覚は、かなり小さなものであるということを1番最初に強く印象つけるために、あえて細かく説明してアンテナを敏感にさせるということも大切だと思います。

 

実際技がうまくかかる時の感覚は、唐突にくる刹那の不思議なものなので、例えば通勤時にぼんやり歩いていたらいつの間にか駅についてる時のように考えずにルーティン化してしまっている状態や、スパー中悪い意味で入り込みすぎている状態、例えば闘争本能むき出しでキレていたりすると捉えることが難しくなります。

 

2つ目の局地戦をメインでトータルの練習をしていないと対応力が落ちるのではという疑問についてですが確かに総合的なスパーが少なく、局地戦ばかりやっているとポジションの切り替わりに頭が追いつかなくなり反応が遅れ、ポジション移行時の対応力が下がります。

 

ただ、自分の経験上組技においては満遍なく練習するというのがバランスが良いようで意外とリスクが高いと思うことがあります。

 

特に柔術では外枠のガードだけ見ても何種類もスタイルがあるので自分の適性を探す段階でかなり迷いが生じます。そして自分好みの技をランダムに繋げたとしても全体としてうまく機能しない場合が多いです。

 

なので時間を浪費することなく練習を進める為には必要不可欠且つ全体に繋がりやすい波及効果の高い技や動作に絞って、その限局的な部分のパターンを増やしていくというのが効率的ではないかと考えています。

 

ここで言う必要不可欠な技とは、すなわち汎用性が高いという意味でどんなスタイル相手にも一定の効果が見込まれる技のことです。特定の動きに対して脆弱なものは除外するか使用比率を下げていかなければなりません。

この技の見極めと取捨選択が教える側としては難しい所だと思います。

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