テクニックの研究・ディスカッションをする時には相手のプライドを傷付けないような言葉遣いを心がけることがとても大切になります。暗黙のルールがいくつかあるので1度明文化してみようかと思います。
①質問された時のみ答える
誰もなにも聞いていないのにいきなり技の解説やアドバイスをし始めると少し相手が嫌な気持ちになることがあります。特に経験者は、初心者の人から「この技はどうやればいいと思いますか?」と質問された時のみ、質問の範囲内を越えないように答えるのがベターです。わからなければはっきり「それについてはわからないので他の人に聞いてください」と言っていいと思います。
②否定的・断定的な口調は避ける
自分が専門で研究している分野についてであっても、「そのやり方は違います」「でもそのやり方よりこっちの方がいいんじゃないですか?」などの否定的・断定的な口調は避けましょう。
例えば「自分の場合はこうします」「今の段階ではこれが良いかなと思います」という風に、ワンクッション入れて和らげると穏便に話が進みます。自分のやり方が間違っている可能性は常にあるので否定的・断定的な口調は避けるのが無難です。
③有名な選手の名前を出して議論に勝とうとしない
せっかく仲間内で技の研究をしていて、アイデアや意見等を出し合っていても「でも有名な○○選手はこうやっているからこうだ」と誰かが決めつけてしまうと話が進みません。そもそもの根拠が「強くて有名だから」だけでは残念ながら適切な解答とは言い難いです。
実際チャンピオンクラスの技であっても、誰の技かわからない状態でクラスで説明した場合には、「これがなぜ重要な動きなのか?これは本当に使えるのか?」と思う人がほとんどです。
人間の肩書きに対する思い込みの強さと、トップ選手の重要な動きを判別する能力の高さを同時に感じる瞬間でもあります。
個人的にはいちばん身近な人の考えや感じ方を大切に出来ないと、組技の重要な動きが見えにくくなるのではないかと思っています。
おわり